今回は、STORY CAREER代表取締役・坂元俊介のロングインタビューをお届けします。

STORY CAREERは新たなパーパス「人の可能性を再定義する。」を策定しました。AIが急速に浸透し”人”の価値がコスト最適化の文脈で語られがちな時代に、あえて人の可能性を問い直す——この想いの背景には、坂元の20年に渡るキャリアと、そこで積み重ねてきた「人」への向き合い方があります。

和菓子屋の継承、リクルートでの5年、STORY CAREERの創業、そして現在のHR×AX事業へ。パーパスに込めた想いを、これまでの歩みと重ねながら話してもらいました。

※本記事は、新たに策定したパーパス「人の可能性を再定義する。」のリリースに合わせて実施したインタビュー内容です。

AGENDA

  1. 紆余曲折を経てリクルートへ。
  2. リクルートから、和菓子屋の代表へ。
  3. STORY CAREERの創業。
  4. 一過性でない、「線」で追うキャリア支援。
  5. 3つの事業展開と、新たなパーパスに込めた想い。

1. 紆余曲折を経てリクルートへ。

渡邉

渡邉 元士(STORY CAREER)

本日はSTORY CAREERの設立背景や新しく設定したパーパス(人の可能性を再定義する)に込めた想いなどについて聞かせてください!まずは自己紹介をお願いします。

坂元

坂元 俊介(STORY CAREER)

坂元俊介です。今ちょうど社会人20年目で、30歳の時に継承した実家の江戸時代から続く和菓子屋の代表とコーポレートコーディネート事業を行う未知株式会社(株式会社STORY CAREERの親会社)の副社長、そしてこの株式会社STORY CAREERの代表取締役を担っています。和菓子屋は経営だけ、と思われがちですが、実は製造や財務、販売にも携わっていて、ガッツリ和菓子屋やっています(笑)

未知やSTORY CAREERでは、人事・採用周りの仕事が多く、自社採用はもちろんのこと、クライアント様の人事・採用に対してコンサルティングのご支援や、MVVの策定のご支援なども行っています。

渡邉

なるほど、中々珍しいキャリアですね。ではここからは少し時間軸を前に戻して、今までのキャリアについて教えて頂きたいです。まずファーストキャリアとしてリクルートHRMK(現Indeed)を選択された理由はありますか?

坂元

実を言うとリクルートの志望度は、当初は高くなかったんですよ。戦略や経営コンサルティング会社を志望して行なっていた就活での経験を通して、最終的に落ち着いたのがリクルートになります。

じゃあなぜコンサルタントだったかと言うと、それは自分自身の経験に紐づいています。僕の実家が和菓子屋というのはすでに述べた通りですが、実は一度廃業に近い危機を経験しているんです。ただ、その時に廃業の危機を救ってくれたのが経営コンサルタントでした。

この経験から自然とコンサルタントを目指すようになって、大学生では経営などを勉強して、就活では迷うことなくコンサルティング会社を受けてました。友人に誘われるまま、いわゆる戦略コンサルと呼ばれる外資系コンサルティングファームを受け始めました。

坂元

外資コンサルの選考は、挫折を経験しながらもかなりの努力をしたことで、良い所まで選考を進めることが出来るようになりました。ただ、面接を繰り返す中で、「このコンサルって自分がやりたいことなのか?」と疑問を持ち始めたんです。

大きな会社に対して戦略策定をして、その遂行をみる。大手の会社が顧客だからこそ、コンサルの成果は最終は顧客自身に委ねられている。そういった印象を受けており、違和感を感じていました。結局その違和感が拭いきれず、最終的には選考を辞退させて頂きました。

坂元

その後、日系の様々なコンサルティング会社を受け始めて、実行まで責任を持つイメージが持てた1社のITコンサルティング会社から特別に戦略枠の採用をして頂き内定を決めました。

しかし、内定者懇談会に行ったときに内定者と自分との仕事に対してのスタンスの違いが大きくて、勝手ながら「そこも違うな」と感じてしまいました。自分は「早く社会に出たい。もっと成長したい。価値を出せるようになりたい」と思ってたんですが、内定者は「仕事って勝手に貰えて、勝手に給料上がっていくよね」っていう受動的な考えの人がほとんどでした。

自分は環境依存型で環境によって成長速度が早くも遅くもなると気づいていたので、この会社では間違いなく成長が遅くなると気づき、ここも内定を断ったんですね。そうすると、気づいたら6月の中旬に内定が全くないという状態になってしまったんです(笑)

渡邉

他のみんなは大体就活終わってる状態ですよね。

坂元

そうですね(笑)

そういった状況だったんですが、たまたまリクルートの三次面接が残ってたので、取り敢えず行ってみました。そこで洗いざらい、面接で最近の就活の話や、リクルートの面接を先延ばしにした理由、当時リクルートを嫌っていた理由まで話したんです。

そうすると当時の人事の部長が、「お前おもしろいね、俺お前と一緒に仕事したいわ」って言ってくださり、結果的に内定を下さったんですね。そこで初めて、今まではロジカルさで評価されてたけど、能力じゃなくて人間性で採用してもらった気がしたんですね。面接で「お前」って言われたのも初めてでしたし(笑)。僕自身は、そのフランクさや人間性をしっかり見てくれたことに魅力を感じていました。

「それまでの選考なんて、愛嬌ないけどロジカルだから採用する」なんて言われながら内定もらっていましたから(笑)

渡邉

かなり紆余曲折した就活だったんですね(笑)

坂元

そうなんです。僕自身のファーストキャリアの選択は実はめちゃくちゃなんですよ(笑)

ただこの経験が、STORY CAREERの祖業である、大学生のキャリア支援につながったとも思っています。僕自身は前述のようなたまたまが重なって、歩みたいキャリアを歩むことが出来ましたが、本来であれば、もっとちゃんと自己分析をして就活をするべきだったと思っています。

坂元俊介
渡邉

なるほど。ところで、先ほど仰っていた「もっと価値を出せるようになりたい」というスタンスはどこからきてらっしゃいますか?

坂元

その背景には、自分のBeing(在りたい姿)があります。他者から頼られたときに応えられる自分でありたい。

この目指す姿からの逆算で、「早く成長したい。他者に価値を出せるようなりたい。」という思いがありました。内定辞退した会社を振り返ると、「この会社に行くと自分の成長がとまる」「他者から頼られた時に応えられない自分になってしまう」そう思い、辞退させて頂いたということですね。

2. リクルートから、和菓子屋の代表へ。

渡邉

他者の期待に応えるという理想とする自分像があった上で、手段としての成長だったんですね。

リクルートでの5年間はどうでしたか?

坂元

もともとリクルートに入った時は、3年で辞める気だったんですが、やっていく中で目標がより高くなったので、結果的には5年少し在籍させて頂きました。

ただ、その期間にリーマンショックがあって、企業が簡単に潰れる様を目の当たりにしていたので、自分の実家が営む和菓子屋も当時で180年続いているとはいうものの、例外ではないなと危機感を感じていました。また、企業が長く続くことの凄さも実感し、いつしか、起業したい、ではなく家業を適切に継ぎたい、という想いが強くなっていました。

その目標に向けて進む中で、新たな時代の流れを考えると、テクノロジーを活用した戦略やマーケティングを考える能力が必要だなと感じていました。

坂元

その折に、Web系のベンチャー企業が人材を探しているところに、たまたま出会ったんです。そこの社長さんが僕にとって魅力的な人で、自分と真逆の熱量と愛嬌で仕事していく人だったので、この人と働いたら面白いかもと思い惹かれるようになり、結果的に一緒に働かせて頂くようになりました。

そこには3年半いてから、家業を継ぎました。当時はそろそろ祖父を引退させてあげたいという想いと、経営的にもまずい状況であったので、タイミングが重なり継承することとなりました。

渡邉

そうだったんですね。和菓子屋始められた当初はどうでしたか?

坂元

それが、全然上手くいきませんでした(笑)

初めは営業をメインで勝負していたんですが、和菓子屋が営業で得られるものってたかがしれてて、根本的な解決にならないし、赤字も止められない、どうしようという状況でした。

その中で、現場を知らないと何もできないと思い、製造現場にまで自分が入っていくことで、「もっとこうしたらいいやん」というのが沢山見えてきたんです。初めは小手先の解決策しか実行できておらず、売り上げも微増といった感じだったんですが、現場から見えた改善点をもとに大幅なコストカットをかけて、一気に黒字までもっていくことができました。

3. STORY CAREERの創業。

渡邉

STORY CAREERの創業についてお聞かせください。

坂元

ここ凄くややこしいんですが、株式会社STORY CAREER、という会社は、元々僕が個人でやっていた採用コンサルティングの会社と、株式会社STORYというリクルートグループの同期たちと立ち上げた教育系ベンチャーの「大学生キャリア支援事業」を合併させて作った会社になります。

元々、和菓子屋を継いだ際、和菓子屋では自分の給料を払うことが難しい財務状況だったこともあって、自分の給料は別で自分で稼ぐ必要があって採用コンサルティングを行う会社を設立しました。設立当時のお付き合いから、現在もSTORY CAREERでご支援させて頂いているクライアントもありますし、今のSTORY CAREERの親会社である未知株式会社も、元々はこの会社のクライアントでした。こっちは、本当に自分の給料を稼ぐことが目的だったので、細々とではありますが、価値提供にこだわってコンサルテーションを行っていました。

坂元

一方、「大学生キャリア支援事業」は、元々は株式会社STORYのインターン生の就活支援をしており、それをインターン生の周りの大学生まで範囲を広げ本格的に事業化したものです。この事業名を元々はSTORY CAREERと呼んでいました。STORYのOBOGが社会に出てからかなり頑張ってくれていたこともあって、企業側からSTORYの学生を紹介してくれという話が数多くありました。そこから、ちゃんと企業側とのパイプも作りにいこうということで、キャリア支援事業を立ち上げたのが経緯になります。

STORY CAREERは学生のキャリアをあくまで「線」で追っており、単に目標とする企業に入社することを目的とした一過性のもの、「点」だけを追っているわけでなく、企業に入った後もちゃんと一人一人が幸せかどうかを見ていく事業でした。

坂元

その後、株式会社STORYがEdTech事業にピボットを行ったタイミングで、事業ごと切り離して独立をさせ、2020年4月に元々僕が個人で持っていた会社と事業合併させた、そのタイミングで社名もブランドネームとして認知されていた「STORY CAREER」に変更、その後株式交換という形で未知グループにジョインして今の株式会社STORY CAREERに至ります。

4. 一過性でない、「線」で追うキャリア支援。

坂元俊介
渡邉

就活支援を一過性でなく、線で追っているという話がありましたが、なぜそれをやろうと思ったのですか?

坂元

「点」だけを追う就活支援の負を知っているからですね。

これは自分自身の経験ですが、僕は過去のボランティアでやっていた就活支援では、まさに先ほど自分でダメだと言っていた「点」で追う支援しかできていませんでした。当時は、面接での表現など、その企業に入れるためのテクニックみたいな部分はかなり持っていたので、そういったアドバイスはかなりできていました。

ただ、入った後の人の一部が、入ってからあまり幸せそうでなかったりとか、転職相談などをしてきたりしていて、そこから「自分がサポートした人たちが、本質的に幸せでないのでは」と感じるようになっていったんですね。自分のやっていることって本当に意味あるのかと感じ出しましたし、もっというと、ある意味マイナスのことをしているのではと感じるようになっていました。

坂元

なので当時はあまり就活支援にも積極的に関わることは無くなっていっていました。

ただ、その中でSTORYをやっていた時に、めちゃめちゃ優秀な学生たちが幸せそうに働いているのを見て、「なんだこの環境は」と、衝撃を受けました。また「この子たちが社会に出て行った時にやっぱり幸せになって欲しい」と思いました。そこからそれって自分が目指したいものなのではないかと感じるようになったんですね。

この経験を通して、「線」で見ていくことの重要さを理解しました。

渡邉

一過性の支援で満足できなかったのは、俊さんのBeingから逸れていたからでしょうか?

坂元

そうですね。3-5年後ぐらいにしか結果が返ってこないんだけど、その結果が来た時に「本当に自分がしたいのはこれなのか」という違和感はずっとありましたね。

もちろん、多数の人は幸せにやっていましたが、1-2割でもそういった人を生み出しているのは違うなと感じていました。

5. 3つの事業展開と、新たなパーパスに込めた想い。

渡邉

現在のSTORY CAREERの事業や、今後の展望についてお聞かせください。

坂元

現在、STORY CAREERでは祖業のキャリア支援事業から少し軸足を移し、大きく3つの事業展開を行っています。

坂元

1つ目は、僕の個人の会社の時代から変わらずやっている、「採用コンサルティング×RPO」事業です。上場企業から気鋭のベンチャー企業、レガシー企業まで様々な企業様をご支援させて頂きました。その中で感じたのが、本当にこの領域は業者の良し悪しの差が激しいということです。僕たちはリプレイスで入ることが多いのですが、「前任の企業は何をしたんだろう?これで本当にこんな金額もらっていたのか?」と思うことばかりです。真っ当な価値をお客様に届け、少しでも業界の適正化に繋がればと思っています。

坂元

2つ目は、キャリア支援事業の発展形としてのキャリア支援アプリ事業です。ローンチはまだ出来ていませんが、元々STORY CAREERが行ってきた高品質の自己分析支援、高精度の企業マッチングをアプリ化し、誰でも気軽に使える状態にすることで、一人でも多くの人に、自分自身に本当に合った仕事に就いてもらう支援をしていきたいと考えています。まずは第二新卒向けのサービスとしてローンチしていき、ゆくゆくは大学生向けのサービスも展開していく予定になっています。アプリになることで、限られた人にしかサービス提供できていなかったSTORY CAREERの価値を、多くの人に届けていきたいと思っています。

坂元

3つ目は、AX×HR事業です。AI技術の急速な発展に伴い、弊社も自社プロダクトの開発やクライアントへのAXコンサルティングを通じて、AIがもたらす業務変革の可能性を強く実感してきました。一方で、現在のAXに関する議論の多くは、工数削減やコスト最適化の段階に留まっているケースが多いと感じています。「AIで業務を効率化し、人員や採用を縮小する」。確かに企業経営としては合理的かもしれませんが、日本という国において人を簡単に切る(退職させる)ことは出来ませんし、本来の人の価値は決してAIに代替え出来るものばかりでは無いとも強く思っています。

今後、AIの導入が企業にとって当たり前となる時代において、AIの活用だけで競争優位を築くことは難しくなります。その中で差別化の鍵となるのは、社員一人ひとりが持つ「その人らしさ」、その集合体である「その企業らしさ」を事業に活かし、独自の付加価値へと昇華させることだと考えています。

坂元

この考えが元になり、今までのMission・VisionをPurposeに統一し、「人の可能性を再定義する。」を策定いたしました。AIと人、その両方の力を引き出しながら、変化し続けるAI時代の”価値の源泉”を問い直し、人と組織の可能性を最大化していきたいと考えています。AXだけに留まらない、個々人が持つ特性を生かした配置転換や組織構築、新たなビジネスの創出などのご支援を行ってまいります。

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