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自己分析の目的は【原動力】と【能力】を明確化することである。
とお伝えしました。
おさらいとして、説明をする際に用いた画像を確認しておきましょう。
今回は1つ目の【原動力】について詳しく見ていきます。
1:原動力の大まかな種類
まずは「原動力にはどういったものが存在するのか」という点について見ていきましょう。
STORY CAREERでは以下の3つに分けて原動力を整理することをオススメしています。
このように整理して考えることで、自身の原動力について抜け漏れなく考えることが出来ます。
また、 Willは企業のMission/Vision/事業内容(=提供している価値)、Beingと価値観は企業の人/社風/制度(=環境)に接続される ことから、自分に合った企業を探す際にも見るべきポイントが明確になるという利点もあります。
詳しくは「企業の見方」や「志望動機の作成」の記事でお伝え致します。
原動力の種類の確認が出来た所で、ここからは「原動力となるWill・Being・価値観を明確にする方法」について確認していきましょう。
STORY CAREERが推奨している方法は大きく分けると以下の3つです。
2:直感的な判断から抽出する方法
3:企業に対する感想から抽出する方法
どれか1つの方法ではなく、これら3つの方法全てを用いて、原動力の明確化・具体化をしていくことをオススメしています。
それでは、具体的にそれぞれの方法について見ていきましょう。
2:明確にする方法①「過去のエビデンス(事実)から抽出する」
「過去を深堀りする」という自己分析の最もオーソドックスなやり方です。
「どういったエピソード(エビデンス)に着目しながら過去を振り返り、どのような問いについて考えていけばよいのか」という点について確認をしていきましょう。
ステップとしては以下A〜Eの5段階です。
■A:『突破浮上エビデンス』の想起
まずは、 これまでの人生の中で頑張ったこと を思い出してみましょう。
その際、可能であれば、達成が困難であったことや出来ない状態から出来るようになったこと=壁を突破したり、出来ない状態から浮上したエピソードをピックアップしましょう。
原動力には「優位な状態で発揮されるもの」と「劣位な状態で発揮されるもの」がありますが、後者がマッチする環境であれば出来ない状態でも踏ん張ることが出来ます。
また、企業も「出来ない状態(劣位な状態)で頑張ることができるのかどうか」「その際、どういった原動力を発揮するのか」ということをよく見ています。
前回の記事でご紹介した以下の図を見てもらえれば、その理由が分かるかと思います。
図に示した通り、新卒の場合「平均より下=出来ない状態」からのスタートになります。そのため、劣位状態で頑発揮される原動力が見られているということです。
■B:『Will・Being・価値観』の言語化
次に、Aで想起した突破浮上エビデンスそれぞれに対して、 「なぜ頑張ることが出来たのか?」という問いを立て、その際に発揮されたWill・Being・価値観を言語化 していきましょう。
尚、ここで100%納得できるまで言語化をしようとする必要はありません。
残り2つの方法を用いてブラッシュアップしていきますので、「これ以上具体化できない」と思った際には一旦それを自身のWill・Being・価値観として仮置きしておきましょう。
■C:『環境選択エビデンス」の明確化
原動力は環境を選択(変更)する際にも発揮される ものです。
そのため「Bで言語化したWill・Being・価値観に従って何か環境を選択したことはないか?」と考えてみましょう。
当時は無自覚であったとしても、今振り返ってみて解釈した場合、自身のWill・Being・価値観が発揮されている場合が多いです。
そのため、「これまでに環境を選択したエピソードは何か?そこにWill・Being・価値観が関係している可能性はないか?」という問いを立てて考えてみるのも有効です。
■D:『醸成エビデンス』の明確化
俗に言う「原体験」と呼ばれるものを明確にしていきましょう。言葉の定義は「 自身のWill・Being・価値観が芽生えるキッカケとなったエピソード 」です。
生まれた時から明確な原動力を持っている人はいないはずです。これまでの人生の中で様々なことを経験し、その過程で原動力は芽生え、育まれていきます。
幼少期の出来事(親や親しい人との関わり)から形成されていることも多いため、 「このWill・Being・価値観はどういった経験によって形成されたのか?」という問いを立て、これまでの人生洗っていく 必要があります。
醸成エビデンスが明確になっていると、非常に強い説得力がありますので、時間をかけてでも確実に明確にしていきましょう。
■E:重要度の割り振り(優先順位付け)
最後に、重要度の割り振りを行いましょう。
抽出したWill・Being・価値観を並べて、 「全体の重要度を100とした場合、それぞれの重要度はどの程度になるか?」 と考えて数字を割り振ってみましょう。
今後配信する「優先順位付け」に関する記事で詳しくお伝えしますが、仮に同じWill・Being・価値観を持っている人でも、重要度の割り振りが異なれば、それぞれに合う企業も大きく異なります。
ここまでで明確にした3つのエビデンスとWill・Being・価値観の関係性を図で確認してみましょう。
図で示した通り、 A〜Dのステップを踏むことで、Will・Being・価値観をベースに過去〜現在における一貫性を示すことが出来ます。
後日配信する「ESの書き方」や「ガクチカ・志望動機の整理」に関する記事で詳しくお伝えしますが、選考の中で『一貫性を持つ』ということは非常に重要な要素になります。
先々の選考のことを考えた上でも、STORY CAREERではこのように過去を振り返ることをオススメしています。
3:明確にする方法②「直感的な判断から抽出する」
1つ目の方法が「過去のエビデンスから論理的に導き出す」ものであったのに対して、ここで確認する方法は「直感」をベースとしたものです。
ステップとしては以下A〜Dの4段階です。
■A:12のトリガーから大切な要素を5つ”直感で”選択
以下の画像の12のトリガーから、 働く上で大切な要素を「直感で」選択 しましょう。ポイントは「直感で選択する」といこと。あまり考えすぎずに選んでみましょう。
■B:選んだ単語をより詳細に言語化(具体化)
例えば、「お金」の場合「何歳までに、どのくらい稼ぎたいのか?」を、「仲間」の場合「どのような仲間と働きたいのか」を言語化していきましょう。
■C:選択・言語化の理由を明確化
次に「なぜそのトリガーを選んだのか」「なぜそのように言語化したのか」、理由を明確にしていきましょう。その際、理由は必ず”経験”に紐付けるようにしましょう。
■D:重要度の割り振り(優先順位付け)
最後に、1つ目の方法と同様、重要度の割り振りを行いましょう。
ここまでが直感をベースにした原動力(Will・Being・価値観)を明確にする方法になります。
そして、大切なのはここからです。
まず、この2つ目の方法とWill・Being・価値観の関係性を確認しましょう。
上記の図(例)の通り、直感で選択したトリガーは、皆さんのWill・Being・価値観によって選択されたものと言えます。
ここで1つ確かめて欲しいことがあります。それは
ということです。
そのためにも、まず自分で選択・言語化した5つのトリガーが、自身のWill・Being・価値観のどれに該当するか(または全く該当しないか)を考えてみましょう。その上で、重要度を確認しましょう。
以下のように、キレイに一致している方もいれば、
以下のように、Will・Being・価値観に該当しないトリガーが含まれているものの、そのトリガー(お金)の重要度は低く、該当しているトリガーと重要度を照らし合わせると一致している方もいるかと思います。
一方で、以下のように「かなりズレている」という方は「そのズレが何を意味しているのか?」と考える必要があります。
発生しているズレは以下の通りです。
尚、 直感的に抽出したものが実態と一致している場合がほとんど です。
上記の例で言えば、この方はBeingまたは価値観に「お金」と「安定」に関する要素が含まれるはずである、ということです。
つまり、 この2つ目の直感的な方法は、1つ目の論理的な方法で導き出したものの「答え合わせをするために行うもの」 と言えます。
どうしても「就活=外側からの評価」を意識し過ぎてしまい、論理的に導いた場合だと自分の本心がそのまま反映されていない場合も多いです。
また、「認識していなかったけど、実は●●というWill・Being・価値観もあった」という場合もあります。
そのため、大きなズレがある場合は1つ目の方法で明確にした「Will・Being・価値観」×「重要度」の方を修正する必要があります。
このように「論理的に導き出したもの」と「直感から導き出したもの」の整合性を確かめることで、妥当性の高い「Will・Being・価値観」×「重要度(優先順位)」を明確にすることができます。
4:明確にする方法③「企業に対する感想から抽出する」
ここまでご紹介した方法①と②を徹底して行うことで、ある程度網羅的に、かつ具体的に軸となる原動力を抽出することができます。
ただ、両者ともに「就業経験のないこれまでの経験」をベースにしている以上、「どういった職種に就きたいのか」「どういった社風や人を好むのか」ということを具体化することに限界があります。
また、実際に企業の人や情報に触れることで初めて「実はこういうことも大切だった」と、見逃していた原動力に気づくこもあります。(例えば、オフィス環境など。)
そのため、STORY CAREERでは 最後の仕上げ=「見逃しているWill・Being・価値観の明確化」「明確にしたWill・Being・価値観のさらなる具体化」を行う方法として、インターン・説明会・面接の中で抱いた感情を言語化する ことをオススメしています。
「どういった感情を抱いたのか?」
「その感情の要因は企業のどういった点だったのか?」
「その要因を要素分解することはできないか?」
などを言語化することで、Will・Being・価値観の精度向上に繋がります。
これは就活を終えるまで継続的に行うようにしましょう。
最後に、おさらいとして、原動力(Will・Being・価値観)を明確にする流れを確認しておきましょう。
流れとしては、
・方法②で方法①の答え合わせ(必要に応じて修正)をする。
・方法③を継続的に行い「見逃している軸の明確化」「それぞれの軸の具体化」を行う。
になります。
次回の記事では「能力(Can)の明確化」について確認していきます。
原動力(Will・Being・価値観)と能力(Can)を軸に企業を見ていくことになりますので、次回までが「自己分析」の内容となります。