▼動画で内容を確認する

※記事は下にスクロールしていくと表示されます。

■Part1(2:13)

■Part2(2:13)

■Part3(2:29)

■Part4(8:10)

■Part5(18:05)

■Part6(8:08)

■Part7(6:07)

 

▼記事を読む 

今回の記事では、新卒採用を行っている企業の約90%が導入していると言われている『ES』について確認していきます。

『通過するES』が作成できるよう

「そもそもESとはどういったものなのか」
「どういった点に注意すべきなのか」
「具体的にどういったことを記載すればよいのか」

という点について確認をしていき、自身のESの作成、改善に繋げていきましょう。

 

 

1:ESの目的や見られているポイント

 

具体的な作成方法や注意点を確認する前に、「そもそもESとはどういうものなのか?」という点について押さえておきましょう。

ここで一つの問いについて考えてみましょう。

それは『 もともと、ESは何を確認する目的で作られたのか? 』ということです。

以下の5つの選択肢の中からどれが正解だと思うか、10秒ほどで回答してみて下さい。

①文章力の確認

②ロジカルシンキングの確認

③志望度合いの確認

④個性の確認

⑤ユーモアの確認

 

 

答えは④『 個性の確認 』です。

つまり、人事が確認したいものは「 皆さんの個性 」ということです。

 

それでは、続いて『 ESの合否はどのくらいの時間をかけて判断をされているか? 』ということについて考えてみましょう。

先程と同様、以下の4つの選択肢の中からどれが正解だと思うか、10秒ほどで回答してみて下さい。

①10秒

②1分

③3分

④5分

 

 

答えは①の『 10秒 』です。(最近ではAIを導入する企業もあります。)

 

厳密には、10秒で「詳しく読むか、読まないか」を判断され、「読む」と判断されたESは詳細に見てもらうことが出来ます。

 

ここから「 ES=10秒で個性をアピールするもの 」と言えます。

具体的に見られているポイントは以下の図の通り、大きく3つのレベルに分けることが出来ます。

 

 

基本情報
ピラミッドの最も下に位置するのは「基本情報」になります。

※「性別」に関しては、ジェンダーの多様性に配慮し、項目を削除している企業もあります。

 

LEVEL 1「基本的な表現力」
句読点の使い方、丁寧語の使い方、接続詞の使い方、具体と抽象の調整など、文章表現における基本的なレベルの能力です。

 

LEVEL 2「自己認識力」「自己表現力」
 このレベルをクリアしていることが『ESの必須条件』 と言えます。

なぜなら、「自己認識力」は「 自分の個性をどれだけ理解出来ているか 」、「自己表現力」は「 認識している個性をどれだけ表現できるか 」ということであり、これはまさに、 ESの目的である『皆さんの個性を把握する』ということに直結する 部分であるからです。

そして、図に記載している『個性』は、テーマ『自己分析』で確認した、就活の軸となる『原動力(Will・Being・価値観)』『能力(Can)』になります。

 

LEVEL 3「自社とのマッチング」
最後のレベルは「自社の採用ターゲットとどの程度マッチしているか」という点になります。

 志望動機(軸と企業との接続性)はもちろん、ガクチカの中でその軸(Will・Being・価値観・Can)が発揮されているかどうか、といった点から判断 をします。

尚、このレベルを最上位にしている理由としては、

・ESを提出する段階=企業との接点も少ない段階では、そもそも深い志望動機を作成することが困難であることを企業も認識していること

・「採用要件を満たしているかどうか」をESだけから判断することは難しく、面接を複数回行う中で確認することを前提としていること

などが挙げられます。

とは言え、 (1)Will・Being・価値観・Canといった軸を明確化し、(2)自分の軸に合った観点で企業選定を行うことで、必然的にこのレベルも概ねクリアすることが出来ます。 

そして、 (1)の軸を明確化する方法はテーマ「自己分析」で、(2)の企業の見方についてはテーマ「面接」で既に確認した内容になりますので、皆さんはこのレベルまでクリアすることが出来ます。 

また、 今回の記事でこのレベルまで到達ができるよう、具体的なESの書き方を確認していきます ので、確実にこのレベルまで到達するESを作成していきましょう。

 

それぞれのレベルで求められているものの概要を把握できた所で、具体的にどういった点に注意すべきなのか(チェックリスト)を確認していきましょう。

 

2:作成の際に注意すべき点(チェックリスト)

 

それぞれのレベル毎のチェックすべき点は以下のリストの通りです。

既にESを作成されている場合は、チェックリストに従って「自分がどのレベルにいるのか」「何をすればそのレベルをクリアできるのか」ということを確認してみましょう。

 

 

 

 

続いて、「自己PR」「ガクチカ」「志望理由」といった、ほとんどのESで問われる設問について、具体的な作成方法を見ていきましょう。

 

3:「自己PR」「ガクチカ」「志望理由」の作成方法

 

初回のテーマ『自己分析』で確認した内容を用いて確認をしていきますので、まだこれらを確認出来ていない人は、まずはそちらを確認してみましょう。

 


 

■「自己PR」の作成方法

自己PRには以下の3つの要素を含めましょう。

・重要度の高い軸(Will・Being・価値観・Can)

・原体験=なぜその軸が形成されたのか

・その軸を発揮して成長した経験

つまり、 自己分析を通じて明確にした『軸』『醸成エビデンス(原体験)』『突破浮上エビデンス/発動エビデンス(成長した経験)』を記載すれば良い 、ということです。

※参考1:Will・Being・価値観と3つのエビデンス(テーマ「自己分析」より)

 
※参考2:「Canと2つのエビデンス」(テーマ「自己分析」より)

 

■「ガクチカ」の作成方法

ガクチカの項目では、 自己PRで述べた「成長した経験」をより具体的に記載 していきます。

具体的には、以下の4つの要素を含めましょう。

(1)『成長物語』であること(変化感=BeforeとAfter)を明記する

(2)環境選択理由として就活の軸を記載する

(3)どのように成長したのか(※)、なぜ頑張れたのかを明記する
※Canが軸である人は、発揮したCanを明記する。

(4)この経験を通しての学びを記載する

前回の記事『人事の目線と伝えるべき内容』で確認した内容と、そこで確認した以下の図を見ると、上記の4つの要素が必要である理由が分かります。

 

 

ESでは字数制限があるため、含めるべき要素は上記4つに限定をしていますが、面接ではより具体的な内容やその他の点を話す必要があります。
 
詳しく確認しておきたい方は、テーマ「面接」の記事である、以下の『【ガクチカの整理①】人事の目線を考慮した整理方法』をご覧ください。

 

■「志望動機」の作成方法

志望動機の作成方法は、就活の軸が「原動力(Will・Being・価値観)」である人と、「能力(Can)」である人によって異なります。

それぞれについて見ていきましょう。

尚、ここでご紹介する内容は、テーマ『面接』でご紹介した志望動機の作成方法(面接で話すことを想定)とほぼ同じ内容となっております。

 

1:原動力(Will・Being・価値観)を軸とする場合

 

【軸の明確化①】原動力を明確にする方法』にてご紹介した方法で自己分析をされている方は、「Will・Being・価値観」とそれらに紐づく「トリガー」も明確になっていることと思います。

ここでは 「トリガー」を用いた企業の見方・志望動機の作成方法 について確認をしていきます。

※参考:12のトリガー

 

大きく以下2点について見ていきましょう。
・A:マッキンゼーの7S
・B:7Sと12のトリガーの関係性

 

○A:マッキンゼーの7S

企業を客観的に捉える方法として『マッキンゼーの7S』というものがあります。

「企業を見る観点」を把握する上で役立ちますので、まずはこの『マッキンゼーの7S』について確認をしましょう。

ここで押さえておきたいことは、「 企業をSから始まる7つのもので分解して捉えることで、網羅的に企業の側面を見ることが出来る 」ということです。

※『マッキンゼーの7S』について詳しく知りたい方は以下をクリックして下さい。

詳しくはこちら

7Sとは、企業戦略における、幾つかの要素の相互関係をあらわしたもの。優れた企業では、各要素がお互いを補い、強め合いながら戦略の実行に向かっているとされる。世界有数の戦略コンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱した。

7Sは、ソフトの4Sとハードの3Sに分かれる。

ソフトの4S
①Shared value (共通の価値観・理念)
②Style(経営スタイル・社風)
③Staff(人材)
④Skill(スキル・能力)

ハードの3S
⑤Strategy(戦略)
⑥Structure(組織構造)
⑦System(システム・制度)

このうち、ソフトの4つは、価値観が絡む要素であるだけに慣性が働き、強制的にまたは短時間に変更することは難しいとされる部分である。 一方、ハードの3つは、変えようとする意思やプランがあれば、変更することが可能である。

手をつけやすいという理由から、結果として、ハードをしっかり設計し、運用すればうまくいくと考えがちであるが(企業変革を行う場合にもハードのみに手が入れられる場合が多い)、重要なことは、ハードとソフトが融合し、なおかつ整合しているということである。

例えば、戦略を変更しても、従業員を全て入れかえることはできない、または、その戦略に必要なスキルがすぐに身につくわけでないといいったことを全て考慮した上で戦略を実行していくことが重要である。

グロービス「MBA用語集」より

それでは、まずは7つのSについて確認していきましょう。

7つのSとそれぞれの概念は以下になります。

 

戦略(Strategy)
競争優位性を維持するための大きな方向性を指す。

「どういったビジョンを立てるか?(企業戦略)」「どういった事業を展開していくか?(事業戦略)」「事業戦略を実現するために、どういった部署(機能)が必要か?(機能戦略)」といったことが含まれる。

 

組織構造(Structure)
組織形態を指す。

「上司と部下の関係」「指揮命令系統の構造」「コミュニケーションの取り方」「意思決定プロセス」といった、人と人の関係性・コミュニケーションといった側面での構造のこと。

 

システム・制度(System)
生産性を向上させるための、組織全体を管理する制度を指す。

「人事評価・給与制度」「人材育成の仕組み」「情報共有の方法」「顧客情報の管理方法」などが含まれる。

 

人材(Staff)
文字通り人に関することを指す。

平たく言うと「どういった人がいるのか?」ということ。「人柄」はもちろん、「エンゲージメントの高さ」「能力」「原動力」なども含まれる。

 

経営スタイル・社風(Style)
経営層の考え方や志向性、経営(意思決定)の仕方などを指す。

また、組織の雰囲気や暗黙のルールなども含まれる。

 

スキル・能力(Skill)
社員や組織が保有している競争優位性のことを指す。

例えば、「営業が強い」「マーケティングが強い」「プロダクトが強い」など。

 

共通の価値観・理念(Shared value)
組織内で浸透している価値観や考え方などを指す。

※本来「Mission・Vision・Value」と一致するはずだが、浸透していない場合は一致しないことに注意する。

 

そして、青色の3つのSを「ハードのS」、オレンジ色の4つのSを「ソフトのS」とし、大きく2つに分けることが出来ます。

ハードのSは比較的変えやすいものであり、ソフトのSは変更することが難しいものになります。

 

○B:7Sと12のトリガーの関係性

次に、上記の7つのSと12のトリガーとの関係性を見ていきます。

「それぞれのトリガーがどのS(経営資源)と関係しているのか」を確認することで、企業の見るすべき観点を押さえることが出来ます。

7Sと12のトリガーの関係性は以下の通りです。

7S 関連するトリガー
戦略 「安定」「憧れ」「体験」「援助」「成長」「変革」「創造」
組織構造 「地位」「安定」「環境」「仲間」
システム・制度 「お金」「地位」「安定」「健康」「成長」
人材 「環境」「仲間」「成長」
経営スタイル・社風 「安定」「環境」「憧れ」「仲間」「援助」「成長」「変革」「創造」
スキル・能力 「安定」「成長」
共通の価値観・理念 「環境」「憧れ」「体験」「仲間」「援助」「成長」「変革」「創造」

※トリガーごとに見たい場合は、以下から確認したいトリガーをクリックして下さい。

お金地位安定環境健康憧れ体験仲間援助成長変革創造
「システム・制度」
「組織構造」「システム・制度」
「戦略」「組織構造」「システム・制度」「経営スタイル・社風」「スキル・能力」
「組織構造」「人材」「経営スタイル・社風」「共通の価値観・理念」
「システム・制度」
「戦略」「経営スタイル・社風」「共通の価値観・理念」
「戦略」「共通の価値観・理念」
「組織構造」「人材」「経営スタイル・社風」「共通の価値観・理念」
「戦略」「経営スタイル・社風」「共通の価値観・理念」
「戦略」「システム・制度」「人材」「経営スタイル・社風」「スキル・能力」「共通の価値観・理念」
「戦略」「経営スタイル・社風」「共通の価値観・理念」
「戦略」「経営スタイル・社風」「共通の価値観・理念」

上記を参考にした上で、 トリガーの具体化した内容や接続するWill・Being・価値観から、見るべきS(経営資源)の具体化を行いましょう。 

例えば、トリガー「援助」が軸に入っている方の場合は、「どういった戦略、経営スタイル・社風、共通の価値観・理念を自分が求めているのか?」ということを具体化しましょう。

そうすることで、 「見るべき観点」×「条件」が明確になり、企業を網羅的にかつ精緻に見ることが出来るようになり、志望動機をある程度作成することが出来る ようになります。

 

具体例
「援助」を選択しており、その定義が

『目の前にいる人々の存在を肯定し、その人が自分の目標に向かって全力で努力できる環境を提供したい。その上で、実際にその目標が達成できる状態まで育成を行いたい。』

という人がいたとします。

この方の場合、関連するSである「戦略」「経営スタイル・社風」「共通の価値観・理念」それぞれにおいて、以下のような具体化を行うことができます。

■戦略
ビジョンが「自分らしく生きる人を増やす」ことに関連するものかどうか。
 
事業内容はそのビジョンと紐付くものであるかどうか。具体的には、個人に対して、深く長期的にアプローチができるかどうか(「きっかけを与える」程度ではダメ)。
 
上記に記載している目的(ビジョン)と価値を実現するために、営業やカスタマーサクセス(自分が配属される可能性が高いポジション)の中で、顧客への本質的な価値提供を実現するための仕組みが入れらているかどうか。(例えば、サブスク型のビジネスモデルであり、目標の1つとして離脱率が設定されているかどうか、など。)
 
■経営スタイル・社風
ベクトルが自分たちではなく、顧客に向いているかどうか。
 
見極めるポイントとしては、
 
・社員の原動力とその原動力が形成された原体験(自己成長が目的ではなく、他者への提供価値が目的かどうか。原体験があるかどうか。)
 
・経営層がエンドユーザーに直接的に深く触れる経験を持っているかどうか(EdTechサービスをやっているのに、指導経験ないとかはダメ)
 
・これまでで行った最も大きな意思決定とその意思決定の理由(顧客起点で行っているかどうか)
 
・社内でよく飛び交う質問とそれに対する社員の回答(質問は脳内を占領すると考えているため、それが顧客への提供価値に繋がったものかどうかが大切)
 
など。
 
■共通の価値観・理念
Mission・Vision・Valueが「自分らしく生きる人を増やす」に関連しており、それらを浸透するための仕組みはどのようなものか(放っておくと、MVVは浸透せずに薄まると思っているから仕組みが重要)。
 
組織の規模が100名以下であること(人数が増えると、MVVの浸透率は低下するから)。
 
社内でよく飛び交う質問とそれに対する社員の回答が、MVVと照らし合わせた際に違和感がなく、目的が顧客への提供価値になっているかどうか。

 

2:能力(Can)を軸とする場合

 

 Canを軸とした場合は、「職種(具体的な仕事内容)」が大きく関係 してきます。

ただ、なかなか「どういった能力を求められるのか?」を自分で考えることは難しいかと思います。

そのため、説明会での質疑応答やOBOG訪問などを通じて、社員の方に 「どういった能力やスタンスが求められるのか?」「どういった人が活躍しているのか?」「それはなぜなのか?(事業内容や職種とどのように関係しているのか?)」 といったことをヒアリングするようにしましょう。

そして、「自分のCanは何なのか」「それをどう活かすことが出来るのか」「なぜ活かすことが出来るのか」といった点を整理し、志望動機を作成しましょう。

 

尚、『【軸の明確化②】能力(Can)を明確にする方法』でご紹介した以下の「Can一覧」「それぞれのCan毎の向いている職種」を参考にして頂くと、大きくズレることはないのではないかと思います。

領域 Can 定義
対自分 自律 自分で「やる」と決めた事柄をやり切る力。
受容(自己認知) 自分自身に起きた事柄と、それに対する自身の感情のイメージをする力。
決断力 目の前にある複数の選択肢の中から、自身の思考・感情に従って選択する力。
対事柄 目標設定 何かに取り組む際に、到達目標(期限と状態)を設定する力。
計画 遠くにある大きな目標を達成するためにプロセスを細かく分解し、小さな行動目標を段階的に設定しておき、それらの達成のために今から何を行うべきかを考える力。
目的的志向 行動する際に、その目的を考える力。また、行動途中に目的に立ち返ることで、行動の妥当性を確認する力。
具体抽象行き来
(構造・システム把握)
抽象的な概念と具体的な事象が結びついた「具体と抽象」のセットを習得し、問題を解く際に使用できる力。
類推力
(構造・システムの推測と構築)
見たことがない「問題(具体)」が出てきた際に、それを解くために、習得している「具体と抽象」のセットを想起する力。
試行錯誤 解決困難な問題や状況を目の前にした際に、これまでの経験などを頼りにしながら解決しようとする力。また、1度で解決が困難だったとしても、諦めずにやり方を妥当に変更し、解決しよとし続ける力。
追求性 他者からの評価の有無に関わらず、特定の事柄に対して多くの時間を費やし、現状よりプラスとなる量や質を求める力。
正確さ 思考や行動の再現性が高く、いつでも同じ結果を出す力。
精密さ 物事を捉えたり思考する際に、細部まで抜け漏れなく捉える・思考する力。
因果関係把握
(分析力)
状態から原因を考える力と、状態(原因)から結果(その先どうなるのか)を考える力。
言語能力 自分の伝えたい概念(意味)を表す文字を選択する力と、他者から伝えられた文字に含まれる概念を理解する力。
振り返り 過去の成果や行動(プロセス)に対して評価を行ったり、因果関係を考える力。
改善志向 物事をより良い状態にするために、改善策を発散・選択する力。
対人 主張 自分の意見を否定されることを恐れずに、自分の意見を発信する力。
※以下の摩擦との違いは、発信する内容が議論と同一内容であること。
摩擦 自分が否定されたり、他者が自分と異なる意見を持っていると考えられる状況においても、自分の意見を発信する力。
調和 集団において、その集団内の方向性(複数の他者の心情や思考)を把握し、集団において受容される行動をとる力。
受容(他者) 他者の身に生じている事柄・思考・感情をイメージする力。
共感 他者の思考・心情を把握した上で(受容した上で)、自身の経験(疑似経験を含む)に重ねて、他者の心情を追体験する力。
調整 対立が生じ得る状況において、関係している他者の心情を把握した上で、状況をはっきりさせずにうやむやに保ち、対立を防ぐ行動を取る力。
傾聴 他者の思考・心情を把握した上で(受容した上で)、他者に「話を聞いている」と感じさせるような行動をとる力。
支援 自分の介入によって他者がプラスの状態になると思われる状況において、問題を抱える他者の心情を理解し、助けるために適切な行動をとる力。
説得 他者の思考・心情を把握した上で(受容した上で)、他者と異なる自分の意見を納得してもらうために適切な行動をとる力。
統率 集団に属する複数の他者の思考・心情を把握した上で(受容した上で)、向かうべき方向に集団を率いる力。
領域 Can 当該Canを活かせる職種・仕事内容
対自分 自律 独立をしたいと考えている人には必須の能力。
また、フルコミの営業や、裁量権の大きい会社・仕事においても必須となる。
受容(自己認知) ストレス耐性が求められる仕事や、企画職などの答えのない仕事をする際に必要になる。
どちらも、自分自身を上手くコントロールすること(セルフマネジメント)が必要になるため、その基礎となる”自己の状態把握”は必須になる。
決断力 マネジメントレイヤーに上がった際や、裁量権の大きい会社・仕事において必須となる。
対事柄 目標設定 独立をしたいと考えている人やフルコミの営業職には必須の能力。
計画 仕事において多くの職種に必要となる。この能力が弱いと、言われたことを言われた通りにやる仕事、しかで出来なくなってしまう。
目的的志向 仕事において多くの職種に必要となる。この能力が弱いと、言われたことを言われた通りにやる仕事、しかで出来なくなってしまう。
具体抽象行き来
(構造・システム把握)
エンジニア職や企画職、商品開発など、上流の設計から具体的なサービス構想まで考える職種に必要とされる能力。
類推力
(構造・システムの推測と構築)
コンサルティング職やマーケティング職、エンジニア職に特に必要となる能力。
試行錯誤 仕事において多くの職種に必要となる。この能力が弱いと、言われたことを言われた通りにやる仕事、しかで出来なくなってしまう。
追求性 エンジニア職や企画職、商品開発など、答えが見えにくい、またははっきりとした目標が定まらない職種に必要とされる能力。
正確さ エンジニア職やマーケティング職、編集職などに特に必要となる能力。
精密さ バックオフィス系(経理・総務・労務など)の職種やエンジニア系の職種に特に必要となる能力。
因果関係把握
(分析力)
コンサルティング職やマーケティング職、エンジニア職に特に必要となる能力。
言語能力 営業職やコンサルティング職、企画職、編集職など、他者と多く折衝する仕事や、コンテンツの制作・出版などに関わる仕事、職種において必要となる能力。
振り返り 仕事において多くの職種に必要となる。この能力が弱いと、成長が人から教えられることでしかできなくなり、成長スピードが遅くなる。
改善志向 仕事において多くの職種に必要となる。この能力が弱いと、成長が人から教えられることでしかできなくなり、成長スピードが遅くなる。
対人 主張 営業職やコンサルティング職、企画職などで特に必要となる能力。
摩擦 営業職やコンサルティング職、企画職などで特に必要となる能力。またマネジメントにおいては必須となる能力。
調和 特定の職種というよりは、仕事内容において利害関係者が多い仕事において必須となる能力。
個人目標を追うような営業職の場合、この能力が弱くても問題なくやっていける。
受容(他者) 営業職やコンサルティング職、マーケティング職で必要となる能力。また、マネジメントにおいて必須となる。
共感 マーケティング職やカウンセリングなどで特に活きてくる能力。また、マネジメントにおいても重要となる能力。
調整 利害関係者が多い仕事において必須となる能力。特に、キャリアアドバイザーやプロジェクトマネジメントにおいて必要となる能力。
傾聴 営業職やコンサルティング職、キャリアアドバイザーで必須となる能力。
支援 仕事において多くの職種においてあった方良い能力。ただし、この気持ちが強すぎて、目的志向が弱い場合、ボランティアのようになり、仕事をする上でマイナスに働くこともあるため注意が必要。
説得 営業職やコンサルティング職、キャリアアドバイザーであると有利となる能力。
統率 マネジメント職において必須となる能力。

 

 

4:まとめ

 

以上で、「自己PR」「ガクチカ」「志望動機」の作成方法は以上になります。

ここで、3つの項目で記載した内容を図で整理して確認しておきましょう。

まずは、これまで何度も確認してきた、軸と各エビデンスの関係性についておさらいしましょう。

※参考1:Will・Being・価値観と3つのエビデンス(テーマ「自己分析」より)

 

※参考2:「Canと2つのエビデンス」(テーマ「自己分析」より)

 

これを踏まえた上で、ESの内容を図で整理すると、以下のようになります。

上記の図が意味することを文字で整理すると、以下のようになります。

図の説明

前提として、ESで見られている個性は「Will・Being・価値観 / Can」といった、皆さんの軸であると言えます。

そして、その個性を伝えるためには、自己分析を通じて明確にした各エビデンスを伝えることが有効です。

つまり、「どのような経験によって軸が形成されたのか(醸成エビデンス)」「その軸が発揮されたエピソードは何か(環境選択エビデンス・突破浮上エビデンス)」ということを伝えれば良い、ということです。

その上で、ここまで確認してきた内容を踏まえると、全てのエビデンスをESの中で述べることが出来ています。

具体的には、『自己PR』では「醸成エビデンス」「突破浮上エビデンス」を、『ガクチカ』では「突破浮上エビデンス」の詳細を述べています。

この状態で、『志望動機』を述べることにより、過去・現在・未来における一貫性が生まれ、企業に皆さんの個性を適切に伝えることが出来る、ということです。

 そして、この一貫性は「軸であるWill・Being・価値観 / Can」つまり、ESで最も見られている【個性】で貫かれたものであり、それが志望理由に絡んでいるということは、「ESで示している個性と企業のマッチ度は高い」ということ です。

つまり、「 ESで落ちる可能性は限りなくゼロに近い 」と言えます。

 

是非、本日の内容を踏まえてESの作成・修正を行ってみて下さい。

 

最後の図にテーマ「自己分析」で紹介している図(おさらいした2つの図)が含まれている通り、STORY CAREERの自己分析方法は、ESの作成に直結した内容になっています。
 
自己分析がまだの状態でここまで読み進めた方は、是非「自己分析」の記事を参考にしながら自己分析を進めた上で、この方法でESを作成してみて下さい!
 
ちなみに、面接(ガクチカ・志望動機)にも直結する内容になっています。
 
詳しくは、テーマ「面接(ガクチカ・志望動機)」の記事をご覧ください。

 

それでは最後に、 ESを誰かに添削してもらう際の注意点 を確認しておきましょう。

作成・修正した後に「誰かに添削をしてもらう」という方もいるかと思いますが、その際に注意すべき点がございますので、最後までご覧ください。

 

5:添削をしもらう際の注意点

 

これは「おまけ」のような内容ですが、今回お伝えすることにしました。

というのも、最近、特にTwitterで 「ESの添削をします!」といった方が多くおり、添削をしてもらっている就活生も多い という状況を目にし、「 それはかなりのリスクがある(場合もある) 」と感じたことが背景にあります。

なぜリスクがあるのかと言うと、 あなたのことをよく知らない人がESを妥当に添削をすることはほぼ不可能 だからです。

我々STORY CAREERのキャリアアドバイザーもTwitterや面談で出会ってすぐの方に「ESを添削して欲しい」と言われることが多々ありますが、正直、妥当に添削を出来るかと言われると、あまり自信はありません。

(いくつかの質問を行うことでその人のことを理解し、出来る限り妥当なフィードバック(FB)をするようにはしていますが。)

妥当にFBをできない理由はここまで記載した内容を踏まえれば明確です。

既にピンと来ているかもしれません。

 

まず、冒頭で確認した 「ESの目的」は何だったか覚えていますでしょうか? 

そうですね、「 個性の確認 」でした。

つまり、「 妥当にFBをするためには、あなたの個性を知っている必要がある 」ということです。

もちろん、チェックリストにあった「LEVEL 1」の内容や「LEVEL 2」の一部の内容に関してであれば、FBをすることはできるかもしれません(ただし、抽象的なFBになります)。

しかし、ESの本来の目的から考えると、上記で確認した通り『LEVEL 2をクリアすることが必須条件』ですので、 十分なFBを得られる可能性はかなり低い と言えます。

また、場合によっては、 添削者の主観が入ってしまい、チェックリストにあった『ESの自分と本来の自分にギャップがない』にバツがつく=本来の自分と異なる自分が表現されているESになってしまう 可能性があります。

(これまでそういった方に何度も出会ったことがあります。)

 

一方で、 自分のことを全く知らない人だからこそ添削できることもあります。 

それは「 全く知らない人から見て、自分のESは自分の個性が伝わるものになっているかどうか 」ということです。

この点はあなたのことを熟知している人よりも妥当にFBが出来るでしょう。

このことを上手く利用するためにも、全く知らない人に添削をしてもらう際には、

(1)ESで伝えたいこと=自分の軸を伝えた上で、「それが伝わっているかどうかを確認して欲しい」と依頼をする。

(2)「ESを見て、自分がどんな人間だと思ったかを理由と共に教えて欲しい」と依頼をする。

この2つのどちらかで依頼することをオススメします。

ESの目的や構造を踏まえた上で、周りの人たちを上手く頼りながら、『確実に通るES』を作成していきましょう。

 

シェアする